ラマゲーブログ

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芝村裕吏『やがて僕は大軍師とよばれるらしい』レビュー

『やがて僕は大軍師とよばれるらしい』

のレビュー記事になります。

 

ネタバレ要素がありますのでお嫌いな方は回れ右です。

 

やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい (MF文庫J)

 

作者について

新刊を眺めていたとき最近流行りのなろう小説っぽいタイトルに目が止まったのがこの本でした。

作者を見ると『マージナル・オペレーション』、『われは剣王っ』、『ガンパレード・マーチ』を作った芝村裕吏とのことで、いずれも好きな作品だったので購入を決めました。

 

ゲームと漫画原作でしか知らなかったのですが、

調べてみると小説も多数出版されているようでした。

むしろ数で言えば漫画より小説の方が多いようです。

 

 

登場人物

ガーディ

エルフに育てられた人間で人間社会の常識に疎い主人公。

お母さん大好き。

 

ナロルヴァ

オークとのクォーターでガーディの上司。

フローリンとガーディとのやりとりに何かと嫉妬してくるのがかわいい。

あと犬歯がかわいい。

 

フローリン

ガーディが使えることになった国の姫様。

世話焼きさん。

 

メイ

ガーディの家来の妖精。

いたずら好きで、空を飛べて、踊れる。

そして忘れっぽい種族。

 

あらすじ

エルフの村が大国(イントラシア)の庇護下に入るため、

服属条件としてガーディが兵として差し出される。

 

武芸は並以下(あくまでエルフ基準で並以下なだけで、

人間基準では弓の名手)だが知力と仲間の助けを借りて

敵国から攻め込まれるイントラシアの窮地に立ち向かいます。

 

ネタバレ&感想

絶望的な状況からどのようにして敵をやり込めるのか、

ワクワクしながら読みました。

 

何か超常的な力を用いて敵と戦うのではなく、

(一部天才的な弓の腕はあるものの)

ガーディの頭脳と戦術でピンチを乗り越えていくのがとても私好みです。

手持ちの札をどのように使って逆転するのか考えながら読むのですが、

まるでミステリーの解決編を読む前のような気持ちになります。

 

特殊な能力(権能)がガーディにはあり、

人間にはほぼ役に立たない能力と考えられているようなのですが、

何やら含みがありそうな感じでした。

 

「またオレ何かやっちゃいました?」的なポイントはあるものの

エルフに育てられたガーディには

人間社会の常識は分からないのは当然であり

嫌味のようなものは全く感じられませんでした。

 

ガーディと嫉妬深いナロルヴァのじゃれあいも良かったです。

そのやりとり全てを描写せず、

読者に想像の余地を残しているのが心憎いですね。

電子書籍版にはナロルヴァとのじゃれあいショートストーリーも付いているので

ナロルヴァファンは必読です。

 

これほど読み終わるのが勿体無いと思う作品は久々でした。

第2巻は今冬発売とのことで今から次の巻が楽しみです。